Athletic Republic of Boulder Diary
アスリート的コロラド州ボルダー滞在記
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09/08/2010

真昼の夕日

異変に気づいたのは一昨日の昼前、風が強くてバイクに乗る気分にならず、代わりに走りに行こうと思いながらついだらだらと過ごしていたLabor Dayの午前中のことだった。ブラインドに映る陽の光が夕方のように赤い。アンニュイな休日には何が起こったのかを確かめる気力も起きず、そのままだらだらし続けているうちに友人から携帯にショートメッセージが入って、初めて山火事が起こっていることに気づいた。やれやれ、また山火事か…

慌ててDaily Cameraの記事を見て状況を確認し、火元と風向きとからして町の方に火の手が及ぶおそれがないのを確かめてから、14マイルほどのランに出かけた。外に出た瞬間煙の臭いが漂い、車の上にはかすかに灰が落ちている。煙で日が翳り、前日までの猛暑がうそのように肌寒い。

30分ほど東へ走ってPleasant View Fieldsまで来るとようやく煙の帯が途切れ、日が照りだした。南の空は爽やかに晴れ渡っているのに、西の空は煙に覆われ邪悪な灰色に染まっている。

煙のグラデーション

そのまま南東へ走り続けBoulder Creek Pathに出ると煙の臭いもあまりしなくなり、空を見上げなければいつもの休日と何も変わらないように見える。上流に向かってダウンタウンに出ると、Boulder Creek Hometown Fairで歩道沿いには屋台が立ち並び、町の様子は平和そのものだ。そのままさらに上流に向かうと図書館の駐車場に消防車が集結しているのが見えて雰囲気は一気にものものしくなった。町外れのBoulder Canyon Roadは山へ向かう車線が通行止めになっていて、反対車線からは避難してきたと思われる車が何台か下ってくるのが見えた。

そこから4th Stを北上すると走るにつれてだんだん煙の帯が濃くなり、日の光が再び赤くなっていき、それとともに煙の臭いも鼻を突くようになってくる。Wonderland Lake付近で空を見上げると、不気味な赤い太陽が空に浮かんでいた。

真昼の夕日


出火から2日以上経った今日になっても山火事は収まらず、収束 (≒contain?) までにあと10日ほどかかるようだ。すでに100棟以上の家が焼け落ち、去年の火事とは比べ物にならない被害が出ている。今日の夕方に少し雨が降ったのがせめてもの救いだった。一日も早い鎮火を願って止まない。

Wed Sep 08 20:50:10 MST 2010 by k - General - comments - No Trackbacks

08/14/2010

Leadville Trail 100 MTB 補給隊長日記

コロラドの夏、レッドヴィルの夏。空を駆けるレースLeadville Trail 100 MTBの季節が今年もやってきた。先月のBreckenridge 100で親身のサポートをしてくれたユーキ師に、補給隊長として、身を挺して、渾身のサポートをすべき日は今まさに到来したのである。

レース当日の朝、昨年の優勝者ランス・アームストロングはスタートラインにいなかった。敵前逃亡とはなんとも嘆かわしい。その隙間を埋めるかのように、間諜のごとく誰にも気づかれることなくそこに並んでいたのはチームメートのリーバイ・ライプハイマー。米国を代表するサイクリストでありながら、トイレに並んでいても誰にも気づかれぬとはなんとも気の毒ではある。たとえアームストロング不在でも、年を追う毎に豪勢になっていく選手と対峙するは我らがユーキ師。彼らに比して、気迫においても精神力においても何ら劣るところはない。

朝6時30分の号砲と共にスタートラインを駆け抜けて行った選手を見送ってから、補給部隊は2班に分かれてPipelineとTwin Lakeの補給地点へ向かった。Twin Lakeの入り口は補給車両で非常に混雑していて、車を停めるだけで30分近くかかり、十分時間に余裕を持って行動したつもりがかなり慌ただしい設営になってしまった。来年ユーキ師が優勝争いに絡むようなことになれば、前日から兵站基地の準備をするくらいの心構えが必要になろう。

スタートから約2時間少々で猛烈な速度で暴走する先頭集団がTwin Lakeを通過、その10分ほど後にユーキ師がやってきた。最初のPipelineは予定通り通過したので、これが最初の補給となる。失敗は許されない。バイクが止まった瞬間にボトルを交換しようとしたら、ユーキが突然降車して茂みの方へ走って行った。ボトルを交換してからバイクを起こし、いつでも出発できる体勢でユーキが戻ってくるのを待つ。軽量化の末戻ってきた頃にはやや順位を落とし、15位ほどでTwin Lakeを発って先頭集団を追った。

最初の補給を終えてユーキがColumbine Mineを登り、戻ってくるまで2時間ほど、一般人選手が通り過ぎるのを観察していると、ロードバイク的な乗り方の選手が少なからずいることに気づいた。補給地点の先は短い坂になっており、そこをシフトダウンせずに前傾のままダンシングで登ろうとして滑って躓く選手を時折見かける。MTBの経験が不足しているのだろう。MTBのレースとしては比較的難しくないコースとは言え、相応の技術がなければ完走は覚束ない。

スタートから3時間45分、先頭集団の2名ライプハイマーと全米MTB長距離選手権優勝のJHKが猛烈な速度で下ってきた。この時間はまだ往路の選手が多く、補給地点はかなり混雑している。先頭集団の選手は下りで随分肝を冷やしたことだろう。それからさらに30分ほどしてついにユーキが戻ってきた。復路でも慌ててバイクを降りて軽量化のため茂みへと走って行く。その間に補給部隊はボトルを交換し、戻ってきたユーキにジェルを手渡して2度目の補給も無事終了。

最後の補給地点Pipelineには別動部隊が待機しているが、予備のホイールセットは1組しかないので、念のためTwin Lake班も撤営してPipelineへと向かう。日々速くなり続けるユーキに追いつくのは年々困難になり、問題なく順調な移動だったにも関わらずPipeline到着の5分後にはもうユーキが戻ってきた。さすがに今回は茂みへは向かわず、その場でボトルを交換しジェルを背中のポケットへと押し込む。このとき真ん中のポケットがすでに窮屈になっており、取り出して別のポケットに入れるのに10秒ほど遅れを取ってしまった。なんたる失態!ユーキに取ってはこの10秒は永遠のように感じられたことであろう。

これで前を行く選手に遅れるようなことがあれば腹を切らねばなるまいと覚悟して、暗澹たる気持ちでフィニッシュへ向かった。今年はアームストロングの敵前逃亡の甲斐あって余計な追っかけの連中がおらず、昨年に比してかなり観戦しやすい。ライプハイマーとJHKのどちらが勝つか、そして去年の記録更新がなるかに注目が集まる。果たして先に戻ってきたのはライプハイマーであった。しかも去年の記録を大幅に上回る6時間16分。さすがに世界を相手に競う自転車選手だけのことはある。JHKはそこから9分遅れたが、全米一の意地を見せて去年の記録を見事に更新した。ユーキの盟友にしてコロラドの星デイヴ・ウィーンズは6時間33分の4位、5位のビショップと並んでレースを終える姿はなんとも感動的であった。46歳になっても速くなり続けるその努力には驚嘆せざるを得ない。

そしてスタートから7時間20分、我らがユーキがレッドヴィルの町に戻ってきた。最後の補給からさらに順位を上げ、昨年の自己記録を30分以上縮めて堂々の11位。補給部隊の一員として、サポートした選手が堂々と赤絨毯を踏むのを見るに優る歓びはない。

このレースがいかに過酷かを語るのに多くの言葉は要しない。レース後のユーキの姿、そして公式結果のDNF (Did Not Finish) の多さを見れば十分であろう。

レースの後

レッドビル100レースリポート:前半
レッドビル100レースリポート:後半

Sat Aug 14 22:02:00 MST 2010 by k - General - 1 comment - No Trackbacks

07/01/2010

Stroke & Stride #5

今日は木曜日、毎週恒例のStroke & Strideの日。ここ2週間ほど夏らしい陽気が続いていている。もうかさばるウェットスーツを持って行かなくても大丈夫そうだ。いつもより軽い荷物でバイクで会場に向かうと、こういう日に限って雲行きが怪しくなった。山の方から吹く強風でBoulder Reservoirの水面には白波が立っていて、泳ぐのは結構大変そうだ。横風になるとバイクで真っすぐ進むのも難しいくらい。この調子だとスイム中止かなと思ったら、Reservoirのビーチには柵が立てられていてほとんど人がいなかった。スイムどころかレースそのものが中止になっていた。

中止になったのは天気のせいではなくて、水質検査で細菌数が基準を上回ったかららしい。後で主催者から来たメールによれば、「コドモが泳いでるところの水に問題があったから、コドモのせいかもしれない」みたいなことが書いてあった。それでもキャッチした手の先が見えるだけReservoirの水は渡良瀬遊水池よりはきれいだ。

Thu Jul 01 22:24:00 MST 2010 by k - General - comments - No Trackbacks

04/19/2010

敗れた者、勝った者

先週の土曜日4月17日は、個人的に思い入れのあるレースが2つあった。

まずは山と海の彼方、埼玉県戸田市で行われた筑波大附属高校と開成高校の定期競漕大会。自分が出てから早15年、今年で82回目になるこのレースも過去8年間はずっと附属が勝ち続け、ついに史上初の9連勝なるかと思ったら、2艇身差で完敗してしまった。他にも浦和一女戦、ジュニア、果てはOBレースに至るまでこの日全てのレースで附属が惨敗。レース後の集まりは葬式のような雰囲気だったに違いない。毎回連勝が止まるたびに思うことだけど、勝ち続けるのはとても難しい。来年はこの時期に合わせて帰る (かもしれない) ので、次のコーチ・クルーにはぜひとも頑張っていただきたい。そして自分もOBの義務を果たさなければ…

もうひとつのレースは砂漠の南、テキサス州ラボックで行われた全米学生トライアスロン選手権 (USA Triathlon Collegiate National Championship)。近年学生トライアスロン界は毎年チャンピオンが入れ替わる戦国時代に突入し、CU Triathlon Teamはしばらくタイトルから遠ざかっていたのだけど、今年ついにやってくれた。男子はチーム優勝、女子もチーム2位に入って、軍人チーム (陸軍士官学校・海軍士官学校) を抑えてダントツのチーム総合優勝。かつてのチームメートCédricも個人準優勝。卒業して2年経ってすっかりチームとは疎遠になってしまったけど、今回の結果はとてもうれしい。

前回タイトルを取ったときの様子はこんな感じだった。もうあれから5年か…なんだかノスタルジー。

Mon Apr 19 22:13:36 MST 2010 by k - General - comments - No Trackbacks

04/01/2010

XC通勤

本日午前11時、ボルダー市はコロラド州からの分離独立を宣言した。手続きは平和裏に行われ、一連の出来事は後世Soy Velveeta革命と呼び習わされる…らしい。なんのこっちゃ。

そんなエイプリルフールネタはどうでもよくて、今日は今年初めてFoothills/Eagle Trail経由で通勤した。乗り応えのある区間はほんの一部で残りはほとんどジープロードだけど、今の自分にはこれくらいで十分だ。Eagle Trailのちょっとした下りがジェットコースター並みに怖い。感覚が戻るまでしばらく辛抱。

途中、自宅勤務でバイク乗り放題という特権階級なサイクリストと並走した。これからHail Valley Ranchへ行くところだそうだ。ということは、もうこの辺のトレイルも乗れるようになったのか。少しだけ話して、1マイルも行かないうちにこちらの足が尽きてドロップアウト。弱い…あと1ヶ月で50マイル走りきれるようになるのか不安になってきた。

まあどんなに弱っちくなっても、仕事前に青空の下トレイルを走るのは最高だ。コロラドなりに春を満喫している。これであと桜並木があって花見ができれば言うことないんだけどね。

Front Range

ReservoirとFlatirons

Thu Apr 01 22:11:22 MST 2010 by k - General - comments - No Trackbacks
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"A scholar who cherishes the love of comfort is not fit to be deemed a scholar." ~Lao-Tzu (570?-490? BC)~
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